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小型グラフィック液晶を使った電波時計の製作

→青色LEDを使った電波時計
小型グラフィック液晶電波時計とエネループ

概要

 ある日、Yahoo!オークションで電波時計IC SM9502A が売られてたので落札しました。これにパスワールドで扱っている 101 x 64ドットモノクログラフィック液晶を組み合わせて小型の電波時計を自作してみました。

 →回路図(png)
 →ソース(zip)

基板とケースと液晶  小さくまとめるのが好きなのでまたタカチの小型プラケース SW-55Gに入れました。本当は電池も入れたかったのですが、さすがに入らなかったので外付けになってます。ひとまわり大きな SW-65Gにすりゃよかったかな。

 マイコンは AVR ATmega168のフラットタイプを直接ハンダづけしています。電波時計の場合はいつも安定して電波が受信できるとは限りませんので、それとは別に秋月のリアルタイムクロックモジュール RTC-8564NBを載せています。これに 0.22Fの電気二重層コンデンサを抱かせてあります。

 電波時計ICは SM9502Aを使っていますが、メーカーサイトでは削除されているので今後は入手できないのかもしれません。しかし、SM9501A/Bのページはあります。ほとんど同様に使えると思いますが、ピン配置など、細かい部分は違っています。

時計内部  電波時計を作る際に問題になるのはアンテナですが、今回は Yahoo!オークションで SM9502Aのオマケとしていただいた物を使っています。その為、詳しい仕様はわかりませんが、小型の AMラジオ用だとのことです。これとコンデンサを組み合わせて 40kHz(西日本では 60kHz)に同調させるわけですが、これが少々問題です。感度に影響しますのできっちりチューニングしたいものです。こういう場合はディップメータを使うものですが持っていませんし、40kHzは周波数が低すぎて使えるディップメータは無いかもしれません。そこで色々調べた所、フランクリン型発振回路で発振させてその周波数を周波数カウンタで計測・調整するのが一番簡単そうだとわかりました。CMOSインバータは 74HC04を使い、すzさんのページ右側の回路を再現した所、うまく発振しました。結局このバーアンテナにマイラーフィルムコンデンサ2個を適当に組み合わせて 40kHzにチューニングさせています。

 なお、SM9502Aは 40/60kHz切り替えの機能がありますが、今回は 40kHz仕様のみで作っています。

電波受信中…  パスワールドの 101 x 64ドットモノクロ液晶は、以前 MP3プレーヤーで使った Nokia 3310 LCDと似ていますが、液晶コントローラが異なるのでコントロールコマンドは違っています。ドット数が増えているのでその分表示に凝れるかと思います。今回はいわゆる「パタパタ時計」風にしてみました。

 この液晶モジュールの電圧保証値は 2.8V以上ですが、2.5V以上ならなんとかなるようです。三洋のエネループは普通のニッケル水素電池より放電電圧が高い(公称 1.25V)ですし、電流をとらなければ大丈夫かと。

 標準電波の受信は常に行っているわけでなく、夜中の3時頃に時計を合わせるようになっています。また、電源投入直後も 10分間、時計合わせを試みるようにしてあります。電波に一番影響するのはインバータ方式の蛍光灯ですね。その次はパソコンのディスプレイ。うちは液晶ですが、ブラウン管タイプでも同様だと思います。

 ところで秋月の RTCモジュールに使われている RTC-8564NBは最大月差1分の誤差があります。ということは、一日あたり最大2秒の誤差となります。今回の場合は単なる時計ですし、電波時計も内蔵しているので特に支障ありませんが、1秒以下の正確さが必要な場合は別の物を使った方が良さそうです。

 消費電流は実測で 1mA未満というところです。800mAhのエネループを使ったとして計算上は 800時間、約1ヶ月持つことになります。RTCモジュールや電波時計ICはほとんど電気を食いませんが、この液晶モジュールは少々電気を食うようです。単なる時計なのでマイコンはほとんど Sleepしてます。