Lexicomp LC-8600 series / OMRON Massif 拡張 RAM-disk driver ERAMDISK.EXE Version 1.23 1997.7.17 Y.Kawakami 1.はじめに  ERAMDISK.EXEは、Lexicomp LC-8600シリーズ / OMRON Massif に増設改造 した RAMを RAM-diskとして使うプログラムです。  LC-86xxと Massifの CPU F8680は、CPU自体に RAMを選択する信号が3本 (CS20,CS21,CS22)あります。ところが、これらのパームトップ機では CS22 が未使用のままです。(古いモデルの LC-8600では使っているかもしれない。)  そこで、RAMをいわゆる「亀の子増設」し、Chip Enable信号は CS22から 供給すると RAMが増設できます。しかし、この RAMはシステムからは認識さ れません。ERAMDISK.EXEはそれを RAM-diskとして活用します。  従って、RAMを増設改造した LC-86xx/Massifでなければ動作しません。 2.増設方法 注意:  LC-8600シリーズで、裏面コネクター側の蓋を開けると ROMが見えますが、 ここに ROMが2個あるモデルの場合は、CS22が使われていると思われますの で増設は不可能でしょう。(検証はされていませんが。)  Massifはどのモデルでも CS22は未使用ですので増設は可能です。ただし、 Massif2は薄型の RAMを使えば 2MB増設も不可能ではないと思われますが、 Massifは 1MBまでです。 ・用意するRAM  つぎのいずれかを2個用意します。(4Mbit PS-RAM フラットタイプ) 日立 HM658512ALFP-8 東芝 TC518512AF-80 沖 MSM548512L-80GS-K  LC-86xxの場合は、RAMを4個と 74AC139を用意すると 2MB増設することも できます。Massif2でも、東芝 TC518512AFT-80という薄型のチップを使えば 同様に増設できると思われます。(Massif1では 1MBしか増設できない。)  なお、70nS品でも問題ないと思います。また、HM628512ALFP等の 4Mbit S-RAMも使えるでしょう。こちらは高価ですが、消費電力が少ないメリット があります。 ・ケースの開け方  省略させていただきます。m(__)m ・RAMのはんだ付け方法  RAMは 22ピンを残して他のピンを全てマザーボード上の RAMとはんだ づけします。(通称亀の子増設) 22ピンは CPU F8680の 75ピンと接続し ます。(RAM2個とも。)  LC-86xxで 2MB増設する場合は、F8680の 75ピン(CS22)を 74AC139の Gに、58ピン(ADR20)を Aに、GNDを Bにつなぎます。Y0と Y1をそれぞれ RAMの 22ピン(CS/CE)につなぎます。  この説明だけで作業方法がピンと来ない方には改造はお勧めできません。 この手の改造にはある程度の知識と経験が必要です。m(__)m 3.使用方法  まず、増設した RAMが正常にアクセスできるかチェックします。システムが 正常に起動したのを確認した後、 C:\>ERAMDISK -T と、-Tオプションをつけて ERAMDISKを実行します。タイトルの後に認識した RAMの量が表示されます。この段階で認識されない場合は配線、はんだ付けを チェックしてください。  その後に 増設メモリーをテストします。よろしいですか? (y/n) と、表示されます。[Y]キーを押すとメモリーテストを実行します。  テストも正常終了したらフォーマットするか聞いてきます。[Y]キーを押す とフォーマットします。それが終わってもすぐに RAMDISKが使えるわけでは ありません。CONFIG.SYS(Massifでは SUPERV.SYS)に ERAMDISK.EXEを登録して リブートする必要があります。  CONFIG.SYS(SUPERV.SYS)には次のように記述します。 DEVICE=C:\SYS\ERAMDIS.EXE ~~~~~~~ ↑ERAMDISK.EXEを格納しておくドライブとディレクトリ  また、次のオプションスイッチが使えます。 -F 組み込み時に毎回必ずフォーマットします。 通常は指定しない方がいいでしょう。 -On RAMの先頭 nKBを ERAMDISKとしては使わずにおきます。 デフォルトは 0です。 -Sn ERAMDISKのサイズを nKBに制限します。 デフォルトは、RAMの全てを ERAMDISKとして使います。 -Dn ERAMDISKのルートディレクトリのエントリー数を nにします。 デフォルトは 128です。nは 32〜256が有効です。  コマンドライン実行時には、これに加えて次のスイッチも有効です。 -T メモリーテストを実行します。RAMの内容は全て破壊されます。 -Y -Fオプションといっしょに使ったときに、フォーマット時の 確認をせずにすぐにフォーマットします。 -H,-? ヘルプメッセージを表示します。  ERAMDISKは不揮発性です。リブートしても内容は破壊されません。電源関係 にアクシデントが起こるか、相当運の悪い暴走のしかたをしない限り普通は大 丈夫です。しかし、皆無とは言えませんし、チェックサム等での検査もしてい ないので、たまには疑ったほうがいいかも。(^^; 4.注意事項  RAMの増設は経験と知識を要しますし、失敗するかもしれません。もし、 破壊したとしてもわたしや Niftyその他のメディア等は責任を持ちません。 あくまでご自分の責任として行なってください。また、メーカーに修理を たのむこともできません。もちろん、保証期間内であっても無保証となり ます。  このソフトはフリーソフトとします。(ノコウェアにしようかな?) 配布・コピー等、自由に行ってかまいません。ただし、このソフトを使っ たことによる、あるいは、改造による損害には責任をもちません。他のB BS、ホームページ・雑誌等に掲載する場合には連絡をお願いします。 yk_kawa(at)sannet.ne.jp ゆき