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"LED Game for AVR" をニッケル水素電池で動かす為に
2007.2.10 新規
LED Game for AVRを作った後は 3.3Vの ACアダプタで動かしていましたが、さすがにケーブルが鬱陶しい。電池で動作させればいいわけですが、MMC/SDカード I/Fをつけたので電源電圧は 3.6V以下でないとカードが壊れてしまいます。うちは使い捨て電池は極力使わず、ニッケル水素電池を使うようにしているのですが、2本(2.4V)だと電圧が低すぎます。3本(3.6V)なら一見いいようですが、充電したてのニッケル水素電池は1本 1.4Vくらいあるので電圧オーバーしてしまいます。
三端子レギュレータを使ってもいいのですが、今回は DC-DCコンバータを入れて電圧を安定化してみました。もちろん、これでエネループも使えます。
今回も毎度おなじみ秋月電子のお世話になります。MAX879 DIPモジュールを使います。この ICは入力 1〜6.2Vを昇圧/降圧して一定電圧にしてくれます。出力電流は 210mA以上とれるとデータシートにあります。出力電圧は外付け抵抗の値で変わりますが、R1に 51kΩ、R2に 3.3KΩを使うと計算上、3.33Vになります。入力電圧が 3.3V以下の場合は昇圧して 3.3Vに、3.3Vより高い入力電圧がかかったら自動的に 3.3Vに落としてくれるというすぐれものです。
他の部品は一般的なものですが、22μHのコイルはできれば電源用のものを使います。やはり秋月で扱っている電源用インダクタ(22μH)を使うのがいいでしょう。ちょっと大きめですが、その分、きっと効率がいいと思います。
データシートには C1は 22μFとありますが、こちらは適当でいいです。C2は指定通り 100μFにして下さい。C3と C4はデータシートにはありませんが、DC-DCコンバータはノイズが出ますので、それを抑えるためにセラミックコンデンサを入れます。セラミックコンデンサはできるだけ ICに近い位置に入れて下さい。R1と R2は、この比率で出力電圧が決まります。少し出力電圧が下がりますが、R1=33kΩ、R2=2.2kΩでもいいでしょう。計算式は以下のとおり。
Vout = 0.2025 * (R1 + R2) / R2 0.2025 * (51k + 3.3k) / 3.3k = 3.33(V) 0.2025 * (33k + 2.2k) / 2.2k = 3.24(V)
ただし、あまり抵抗値の絶対値が異なり過ぎると動作に支障をきたします。
回路図と上の写真を参考にがんばって配線して下さい。秋月の DIPモジュールは実装されている ICの向きと端子が 90度ずれています。画像ではとりあえず ACアダプタの所から電源をとっていますが、直接電池BOXからとってもいいでしょう。
実際に動作させてみましたが、充電直後の Ni-MH電池2本(端子電圧約2.6V)で「Missile」を動作させたところ、電池の電流が 30〜120mA程度流れました。LEDの点灯数が少ないと 40〜50mA程度ですが、LEDが沢山点灯すると急に電流が増えます。試しに Ni-MH電池1本でも動かしてみましたが、問題なく動作しました。
秋月の MAX879 DIPモジュールは在庫限りなので売り切れるかもしれません。お早めにどうぞ。他には MAX1674, 1675, 1676などが使えると思いますが、なにせこれらは端子のピン間隔が 0.5mmだったりするのでハンダづけが困難です。もちろん、ピン配置や回路も違ってきますので。
昇圧のみ(入力電圧 0.7〜3.3V)となりますが、MAX756であれば DigiKeyなどで入手できるようです。ショットキーダイオードが必要ですが、これは 1S4を使えばいいでしょう。
そんなわけで電池BOXも裏面につけ、スイッチもつけて携帯型にまとめました。スペーサを足代りにしてます。手前側のスペーサが中央寄りなのはボタン操作の邪魔にならないようにする為です。また、ACアダプタのコネクタも邪魔だったので外してしまいました。跡地にチップ型の LEDをつけて電源ランプということで。しかし、紙エポキシ基板は安っぽいですね。最初からガラスエポキシの基板にしとけばよかった。
ISP端子は AVRの端子はもちろん、メモリーカードの端子がそのままつながってますので足を切ったコネクタをかぶせておくことにします。基板自体が剥き出しなので意味があるのかどうかという意見もありますが。