PCミュージアム その1


●中日電工 ND80Z(改)

ND80Z
 学生時代、郵便局で年賀状配達のバイトで手に入れた (有)中日電工製のワンボードマイコン。その頃、29,500円であった。これで Z80のソフトとハードを学んだ。ちなみに、このボードは NECのワンボードマイコン TK-80互換であった。

 後述の MZ-770を制作する際のベースとなった。その為、アドレスのフルデコードや、内蔵 ROMの禁止信号などの改造を施してある。

 中日電工では現在でも ND80Zの後継の ND80ZIIをはじめ、各種ワンボードマイコンを販売している。トランジスタ技術誌に広告があるので、興味のある方はごらん下さい。

スペック

CPU Z80A 2/4MHz
ROM 2KB(MBではない)
RAM 1KB(   〃  )
I/F 16進キーボード、8桁 7SEG LED、カセットI/F、スピーカー出力

購入時期:1984年頃?

●SHARP MZ-700(MZ-721)

MZ-700

 やはり学生時代、バイトして買ったパソコン。中古で、約5万円だったように記憶している。今のパソコンでは考えられないが、このマニュアルには ROMのアセンブラソースと全回路図が記述してあった。自分でプログラムして使うのが当たり前の当時、とても参考になったことは言うまでもない。自分で互換機を作れたのもこれによるところが大きい。

 MZ-700の前身の MZ-80Kシリーズと MZ-700では微妙に BIOSとハードが異なっていた。その為、MZ-80K用のソフトの一部はそのままでは動かなかったが、MZ-1200(MZ-700の前のモデル)のマニュアルを購入して異なった部分を拾い出し、ソフトにパッチをあてたりもしていた。

スペック

CPU Z80A 3.58MHz
ROM 4KB
RAM 64KB
I/F カセットレコーダ内蔵、TV(1or3ch)出力 etc.

購入時期:1984年頃?
・ MZ-700に興味があるかたはこちらへ
→OpenSpace MZ-700のページへ
→OpenSpace ホームページへ
・ Windows95/NTで動作するエミュレータができました!
→MZ-700 Emulator For Windows95へ
→Marukun's Homepageへ

●自作! MZ-770

MZ-770 MZ-770の内部 MZ-770 CPU基板

 なんと、オール自作MZ-700上位互換パソコン。最初、ND80Zに回路を追加していったのだが、途中で CPUボードも作ってオール自作機になった。オリジナルの MZ-700が CPUが 3.58MHzなのに MZ-770は 4MHzで動かしたり、640×200ドット8色グラフィック回路や FDD回路を追加したりしてその頃の代表的なパソコン PC-8801シリーズにも劣らない機能を盛り込んでいた。(ホント。)

 OSも CP/Mを移植してはいたが、主に使っていたのが Oh! MZ誌(後に Oh! X誌)で全機種共通プロジェクトとして活動していた「S-OS」である。エディタ、アセンブラ等の開発ツールから Lispや FORTHなどの言語、ゲームまで揃っていたので遊ぶには最適だったのだ。

 MZ-700互換なのでそちらのゲームももちろん動いた。FDDをつないでいたので、MZ-700につきもののゲーム前のカセットテープ読み込みからも開放されて快適であった。MZ-700のソフトとして衝撃を与えた tinyXEVIOUSもちゃんと動いた。市販ソフトは自分でプロテクトをはずして FDにインストールしていた。ちなみに、わたしのまわりには MZ-700ユーザーは弟を除いていなかった為、自分で使うためだけにプロテクト外しをしていた。

スペック

SHARP MZ-700上位互換
CPU Z80A 4MHz
ROM 8KB
RAM 128KBだったかな? ぐちゃぐちゃと増設してあるので。
ディスプレイ 640×200×8色×2画面グラフィック。8色パレット付き。
I/F カセットI/F、5inch2D FDD、ジョイスティック/マウス、ROMライター内蔵 etc.

製作時期:1985年〜1988年頃

●EPSON RC-20

RC-20 RC-20拡大図 RC-20活用本

 会社の社員割引で買ったもの。定価は3万円くらいだったように記憶しているが、在庫処分だったので 3,800円であった。箱と解説本付きの黒モデルなのでひょっとするとマニアに高値がつくかも。でも、売りませんよ。

 ユーザーがプログラムできる、世界最少のパソコンではないかと思う。技術評論社から出ていた岡田ひろし著「RC-20 腕コンピュータ100%活用法」にはハードウェアの詳細と内部ルーチン、サンプルプログラムが載っており、CPUは Z80互換なのでやる気になればプログラムを作れたのだが、結局なにも作っていない。

 最近、セイコーインスツルメンツから「Ruputer(ラピュータ)」なる腕時計型端末が発表された。プログラムの開発キットも提供されるということで期待している。

 ところで、RC-20とほぼ同時期に服部セイコーから RC-1000,BS-200S/Gという腕コンも発売されていたことを御存じだろうか。書庫を探したところ、今は亡き Oh!MZ誌の '85年6月号の広告にそれを発見。さすがにプログラムはできないようだが、時計、かつ、データのビューアとしてのコンセプトは興味深い。 →広告画像(約150KB)

 2002年10月25日、解説本共々コレクターの方に売却してしまいました。発送しようと押し入れから取り出したらリストバンドがボキッと折れちゃった。かなり風化しやすい材質のようです。(T_T)

スペック

CPU SMC84C00(Z80互換) + 4bitサブCPU
ROM 8KB
RAM 2KB
I/F RS-232C(TTLレベル)、圧電スピーカ、液晶、タッチパネル

購入時期:1988年頃?

●SHARP X68000PRO(改)

X68000PRO  初めて購入した本格的パソコン。SHARPは「パーソナルワークステーション」と呼んでいた。ウリの「マンハッタンシェイプ」と呼ばれたダブルタワー型のモデルではなく、横置きの普通の形をしたモデルである。

 このパソコンも改造を施した。CPUを 16MHz動作のものと交換したうえで 10MHzを 16MHzにクロックアップ。10MHzと 16MHzをソフトウェア上から切り替えられる回路を追加しておいたので、16MHzでは都合の悪いソフトはバッチファイルなどで 10MHzにクロックを落としてから起動、終了後に 16MHzに上げるということができた。電源LEDにも細工を施して、10MHz時には橙、16MHz時には緑色に光るようになっていた。

 また、内蔵の HDDを SASI 40MBのものから SCSI 80MBのものへ交換している。

 X68030compactを購入後、会社の後輩に売却。よって、現在はここには無い。この写真は今は亡き Oh!X誌(最近、不定期刊の MOOKとして復活!)の広告からのものである。

スペック

CPU HD68HC000 10MHzを 16MHzにクロックアップ。
    ソフトウェアから 10MHzと 16MHzの切り替えが可能なように回路を追加。
RAM 4MBだったかな?
HDD SASI 40MB を SCSI 80MBに変更

購入時期:1989年春頃

●SHARP X68030compact(改)

X68030compact X68K RTC boad

 X68000シリーズの最後の機種。このスペックでもう2〜3年早く出ていたらと悔やまれる。これもマンハッタンシェイプではなく、コンパクトなタワー型である。

 例の如く、この機械にも改造が施してある。まず、CPU(モトローラは MPU)は MC68EC030を、秋月電子通商で買った MC68030-50MHz対応に交換したうえで 33.3MHzにクロックアップ。次に、HDDを 200MBに交換。さらに、FDDを3モード改造して 1.44MBのメディアも読み書きできるようにした。

 X68030compactは発売直後に購入したが、一番最初のロットには時計が一日に2〜3分も狂うバグがあった。それで、拡張スロットに RTC回路を組み、ドライバーを開発してそちらを使うようにしていた。

スペック

CPU MC68EC030を MC68030に交換。本来 25MHzのところを 33.3MHzにクロックアップ。
RAM 12MB
HDD SCSI内蔵 200MB
FDD 3.5inch 3モード
リアルタイムクロック回路の基板を自作して拡張スロットに装着

購入時期:1993年5月

●ABC BICOM SL-80

BSL-80  香港 ABCコンピュータ社製のサブノートパソコン。ハードディスクの容量が 60MBの SL-60というモデルもあった。IBMの TP-220より早くから発売していたと思う。重量 1kgの A5サイズ、CPUは i386SLで 80MB HDD内蔵と、TP-220と似た仕様であったが、一番違っていたのは、BSL-80が画面は 640×400ドットの DCGAだったのに対して、TP-220は VGAだった点と、BSL-80には PCカードスロットが無かった点だろう。

 実はこの機械はユーザーの評判が大変悪い。あまりにも華奢に作られていたのですぐ壊れるし、いろんな部分の設計が甘かった。ACアダプターで使っているときにそのコンセントを抜くとバッテリー駆動に切り替わらずに電源が落ちるとか、サスペンド/レジュームが効かない(SL-60は可能であったようだ。)などの、ノートパソコンとしては言語道断の仕様であった。

 また、わたしの機械ではディスプレイのケーブルが切れてしまったので自力でつないで使っていたのだがしばらくすると切れてまたつなぐという作業を繰り返していた。そんな時に GATEWAY2000 HANDBOOK486が10万円程度の値段になったので購入、BSL-80はお蔵入りになった。その後、バッテリーケースが割れたり、なぜか起動もしなくなった。

スペック

CPU i386SL 25MHz
RAM 4MB(増設依頼済み)
HDD 80MB
画面 640×400ドット DCGA
重量 約1kg(電池込み)
サイズ A5
バッテリー Ni-MH 単3型×5本、コイン型リチウム電池

購入時期:1993年6月頃?

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