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ゲームキャプチャ内部の基板

HTTPサーバ内蔵・赤外線リモコンタイマー

〜ゲームキャプチャーをタイマー録画予約対応してみた・2015年版〜
2015.8.28


あらまし

昨年製作した、Irシステムを利用する録画システムは順調に動作していたのですが、今年の1月、CATV STBの録画予約が正常に動作しないことがありました。STBのファームウェアのバグか何かが原因だったらしく、数日したら直りましたが、古い型であり、CATV会社のレンタル品なのでそのうちに交換することになるだろうと思っておりました。そうなると現行の機種には Irシステムなどというレガシーなものはついていません。あのシステムは動かなくなります。交換に備えて次のシステムの開発に入りました。

基本的に RTC内蔵のマイコンを使い、時間が来たら赤外線リモコン信号を出すだけのことでありますが、その予約時間設定をどうするか。キャラクタ液晶と押しボタンスイッチでポチポチと入力するというのはかったるい。いっそ、無線LAN内蔵して HTTPサーバ実装してパソコンやスマホ・タブレットから予約できたらかっこい、というわけでそのような回路を作ることにしました。

組込み用の無線LANモジュールも最近は安価なのが出ています。当初は TIの CC3000を使ったモジュールを使う予定で基板設計したのですが、本業が忙しくなって放置となります。

それからしばらしくした7月末、CATV会社から STB交換の案内が来ました。ついにキタか、というわけで開発再開。ただ、1ヶ月以内という締め切りができてしまいました。CC3000を使うのはちょっと面倒だな、と思っていたのですが、ちょうど ESP2866EXを使った無線LANモジュールが価格破壊をしていたのでそちらを使ってみることにしました。

システム解説

IrTimer システム図

RTC(リアルタイムクロック)内蔵の MCUを用います。電源が切れても内容が消えないシリアルフラッシュROMに予約時間とチャンネル等を格納しておき、時間が来たら赤外線LEDでリモコン信号を送出して STBを電源ON、チャンネルを合わせてからゲームキャプチャーの電源を ON、録画開始します。終了時間になったら止めていきます。

赤外線リモコン信号を出すのは簡単ですが、確実な制御をしようと思うと困るのがトグル動作をする信号です。例えば電源ON/OFF。電源が切れている時に電源ON/OFF信号を送れば電源が入るのはいいのですが、もし、電源が入っている時に送ってしまうと入れるつもりが切れてしまいます。

ゲームキャプチャの場合は回路基板をケース内に同居させるので、LEDから線を引き出してフォトカプラを通して電源LEDや録画LEDが点灯しているか確認できるようにします。

しかし、CATVの STBはレンタル品であり、改造してはいけません。そこでコンポジットあるいはコンポーネント信号の同期信号を検出することにしました。この信号がある場合は電源が入っているわけなのでそれに応じて電源制御を行います。

録画予約は Wi-Fiモジュールを経由して行います。MCUで簡易型の HTTPサーバを動かします。家庭内のパソコンかスマホ・タブレットからアクセスして設定を行います。最近のブラウザは高機能ですのでそちらで GUIの処理を行わせ、HTTPサーバ側は最初の HTML + CSS + JavaScriptの転送以降は JSONデータのやりとり程度の動作をさせます。

ネットにつながっているので RTCの補正もそちらで行います。NTPクライアントも実装して1日2回時間合わせをします。

→回路図(相当回路)

録画画面デモ GUI動作デモ:ここのサーバで動かしてみたデモなので、実際の動作とは少し異なります。再描画すると元に戻ります。


ギャラリー

基板  製作した基板。はみ出している部分はカッターで切り出して使います。一つは赤外線LEDの送信部です。他は使いませんでしたが LEDの点滅検出用のフォトトランジスタ基板です。

部品実装後  基板に部品を実装した状態です。黄色いのは STBの同期信号を入力する為のコネクタです。WiFiモジュールとぶつかるので切り欠いてあります。

CC3000モジュールといっしょにケースへ  CC3000モジュールを搭載してケースに入れた図です。ちょっと高さが足りなかったのでケースの上面をカットしてあります。この状態でしばらく開発中断。

ESP2866EXモジュール搭載  開発再開。CC3000モジュールと同じサイズ・ピン配置で ESP2866EXモジュール(ESP-WROOM-02)とシリアルフラッシュROMを載せた基板をユニバーサル基板で作ってあります。基板を起こさなかったのは時間にあまり余裕が無かったので。

ゲームキャプチャ内蔵  ゲームキャプチャー内部に移植します。基板は新しく部品実装したものを使います。

基板部分のクローズアップ  クローズアップ。右下の虹色すだれケーブルの下にフォトカプラがあります。画像中央、あずき色のコンデンサの根本から出ている紫色の線がコンポーネント信号のコネクタにつながって同期信号を検出します。


基板化  改めてプリント基板化してみた。


iEPGファイルを読み込んで録画予約するスクリプトを書いてみた。

→Perlソース(txt化)

2015.11.5
iEPGファイルの他に Yahoo!テレビ.Gガイドの番組紹介ページ URLも有効なようにした。URLを指定して実行すると該当ページの内容をダウンロードし、録画に必要データを抽出して予約する。デスクトップにショートカットを作成しておけば、Firefoxでリンクをドラッグ&ドロップするだけで予約できる。


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