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TRX-505M / NFB付きベース変調を用いた自作6mAM送信回路 / JR0DBK

2020.5.16
→50MHz AM QRPトランシーバー TRX-505 の製作
→50MHz AM QRPpトランシーバー TRX-504 / TRX-503S の製作
→50MHz AM QRPpトランシーバー TRX-503 の製作
→50MHz用 SKYDOORループアンテナを自作して通信実験
→50MHz専用 グラフィカルSWR計の製作

「ベース変調は音が悪い」という常識を覆す

昨年作った TRX-504で NFB付きベース変調というのをやってみましたが、波形が良好で歪感も無く、回路もそれほど複雑でないのでもう少しいじってみようと思い、TRX-505の変調回路をこの方式に置き換えたものを作ってみました。


変調部分、及び終段増幅です。PLL(Si5351A)の出力を 2SC3356x2のプッシュプルで軽く増幅・変調し、AFT05MS003Nで 500mWまで引き上げます。2SC3356のプッシュプルは変調をかける都合上、レベルの低い部分で使う必要があるのでここではゲインは数dB程度しかとれません。一方、AFT05MS003Nは比較的新しい RF MOS FETなのでかなりゲインがとれます。

このプッシュプルのベース電圧はオペアンプ(AD8531)でドライブしますが、その出力レベルをコレクタに入れた抵抗で検出し、フィードバックをかけます。このループを音声信号で振ってやることで変調をかけます。フィードバックがあるのでベース変調に付きものの歪みはほぼ無くなります。

プッシュプルではなく、単体のトランジスタでも同じ方法で変調をかけられると思いますが、ベース電圧の低い部分、キャリア波形の上下の非対称が大きい領域で使うことになるので偶数次のスプリアスが大きくなると思われます。トランジスタ自体は安価ですし、手巻きでトランスを作るのは少々面倒ではありますが、回路としてはそれほど複雑になるわけでないのでプッシュプル構成にして綺麗な波を目指します。

今回は 2SC3356を使いましたが、たぶん 2SC1815など、もっとロースペックなものでも問題なく動くのではないかと思います。hfeは小さい方が制御しやすく、結果的に大きな出力が出せると思われます。上記回路の終段を取り除いた状態で 10mWくらい出れば、かのFCZポケトラ的なものになるかなと。

→回路図(PDF)

ところで、4W出力とれる AFT05MS004Nというのもありますが、なぜか MOUSERで「SOT-89」で検索しても出てこないので存在に気がつきませんでした。003Nで免許申請しちゃったので変更もできないし。

NFBが無い、つまり普通のベース変調時と、NFBをかけた時の比較。左が NFBが無い場合。VBE-IC特性の立ち上がりカーブの影響で正弦波の先端が尖った形に歪むことがわかります。「ベース変調は音が悪い」というのはこれを指すと思われます。右側は NFBによる補正が入ってるのでちゃんとした正弦波。

送信回路ブロック図。ブロック図だと部品は少ないみたいですが、なんだかんだでそれなりの部品数があります。免許変更申請済みで下りるのを待っている状態です。

今現在は送信回路基板だけですが、受信部その他を作って独立したトランシーバーにするかもしれません。

BPFはこんな感じ。Qを上げた T型LPFの2段直列。最初のは Qを低めにしてインピーダンスマッチングを優先、後の方を Qを上げてフィルタリングしているつもり。これでなんとか2次高調波 -20dBm以下をクリアできたかな?

送信基板上にはこの回路図の左側の分しか載っていません。右側は受信基板に送受信切り替えの RF Switchとと共にあります。

RF Tools | LC Filters Design Toolの計算値。Passband Rippleを大きくした3次チェビシェフLPFなので 50MHzあたりに山ができる。

実際の画像と波形等

開発中。TRX-505の送信基板を今回の基板と置き換えて実験中。この画像では終段回路はまだありません。

終段回路を追加した基板。放熱器は本来、ファイナルFETの裏面につけるべきなのでしょうが、基板の下には Li-Po電池があってつけられないので FETのそばに宙に浮いた状態で取り付けられてます。コイル類はトロイダルコア・ダストコアに手巻きしています。面倒ではありますが、いろいろ調整して実験ができるので。

1kHz変調波形。綺麗に変調がかかっていると思います。

上記波形時の変調波のスペクトル。良好かと。

高調波スプリアス。基準以内ですが2次高調波が少しあります。グラフはアッテネーターも含めて補正済みなので 0dB = 0dBm = 1mW。

試しに少し過変調にしてみました。ベース変調なので低い方はクリップします。

上記波形時のスペクトル。帯域が広がるとはこういうことなのですね。


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