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50MHz トランシーバーを作ったのはいいですが、出力が弱くて昔から持っている通過型の SWR計が使えません。SWRを合わせるために他の無線機を持っていくのもなんだし、「アンテナアナライザー」があればいいので導入を検討しました。その際に原理としては難しくないことがわかったので自分で作ってしまうことにしました。先人が書かれた簡易的なものの自作記事はいくつもありますし。
基本は K6BEZ Antenna Analyzerです。ただし、50MHz専用とし、オシレータは Si5351Aを使うことにします。これは自作トランシーバーでも使っていて要領がわかっており、安価で小さくできるからです。後は使い慣れた STM32を使い、グラフィック液晶で表示してやればいいわけで。
いつもと同じように Fusion PCBで基板を作りました。「アンテナアナライザー」ではちょっとおこがましいので「グラフィカルSWR計」ということにしました。
Si5351Aは矩形波を出力するので LPF, BPFを入れてあります。画像は測定用ブリッジに供給される波形。目で見る限りは綺麗な正弦波になっています。
SWR 1.5, 2.0, 3.0, 4.0相当のダミーロードを作ってみました。今回の回路は検波の際、微小電圧でダイオードを駆動することになるので SWRが低くなると誤差が大きいです。実際の値と比較してソフトウェア的に補正します。
液晶とコネクタの他は電源スイッチを兼ねたボタンしかありません。押したら電源が入って 42〜60MHzを測定・グラフ表示します。もう一度押したら 48〜54MHz、もう一度押すと 49〜52MHzを測定・表示します。もう一度でまた 42〜60MHzに戻ります。長押しするか、60秒放置すると電源が切れるようになっています。
microUSBコネクタで内蔵のリチウムイオン電池を充電できるようにしてあります。これは基板上とは別回路なので回路図には載っていません。
表の蓋を開けたところ。最初、検波ダイオードに 1SS154を使っていましたが、Vfによる誤差が大きいようだったので 1N60(Ge)に変えてあります。
実は液晶の幅が広いので蓋のフックを削らざるを得ず、そのため蓋はネジ止めすることになっています。
ケース内部。リチウムイオン電池は 40mAhと小さなのを使っています。最初、手持ちの 110mAhのを使う予定だったのですが、微妙に入らなかったので。40mAhでも測定時間は短いので特に問題ないです。ピンクのスポンジの下に充電回路と microUSBコネクタがあります。
ロッドアンテナを使ってハンディアンテナを作ってみました。参考にしたのは 3D無線クラブの「50MHZ用、ポータブル ハンディアンテナの作り方」。
アンテナのボックス内部。ロッドアンテナは約46cmなので 3D無線クラブの値そのままというわけにはいきません。適当にカット&トライを繰り返して製作しました。
PCとつなぐと液晶画面のキャプチャがとれるようになっています。右側の小さい方の特性はこんな感じ。もう少し SWRを下げられるような気がします。トロイダルコアは T-25-10を使っていますが、巻数はいろいろ調整するうちにわからなくなってしまいました。
作ってみて意外だったのは周囲の状態で同調数端数が非常に簡単に動くこと。SWR計とのつなぎ方や「持ち方」で簡単に数MHz動くので困りました。結局、トランシーバーにつけたのと近い状態ということで、SWR計に直つなぎし、SWR計を「持って」測ることにしました。
こちらは SKYDOORループアンテナを立てた時のもの。小さいので移動に持っていっても邪魔になりません。
いい値を示しています。安定してるので調整が楽でした。同調幅も広いし。バックライトもありますが、日中の屋外では全く意味がないですね。
2019.6.16
ロッドアンテナを使ったハンディアンテナを作り直しました。巻数が多すぎたのでトロイダルコアを T-25-6に変更。センタータップからロッドアンテナの方の巻数が 25回、グランドの方の巻数が 3回でいい具合になりました。巻線は 0.29mm UEW。
こちらは巻数は 23回 - 3回。0.6mm UEW。トロイダルコアは T-50-10。
コイルのケースをレーザーカットのアクリルで作ったバージョン。トロイダルコアは T-37-6。巻数はアンテナ側が 25回でグランド側が 3回。UEW 0.4mm。
中身。この後、コイルが振動で揺れないようにホットボンドで固定しました。
こちらはハムフェアで展示したレーザーカットアクリルケースの SWR計。中の基板も作り直してありますが、基本的に同じものです。