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青春のオールナイトニッポンの
クーガ2200にラジオを組み込む!

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→青春のオールナイトニッポン・クーガ2200に FMラジオを組み込む・2012年版

これはわたしに対する挑戦だな

 昨年、江崎グリコから「タイムスリップグリコ・第3弾」が発売され、その中にクーガ7のフィギュアがラインナップされていました。それは海洋堂がプロデュースしただけあってすばらしい出来で、感動したわたしはその中に 1IC+1Trのストレートラジオを組み込んだのでした。世界最小というわけではもちろんないにしろ、精密なミニチュアラジオがそれなりに受けたようで、あちらこちらからリンクしていただきました。

 あれから一年、なにげなくインターネットを徘徊していたわたしはタカラが「青春のオールナイトニッポン」というものを発売するという情報をつかみました。これはミニチュアラジオから昔のオールナイトニッポンのジングルなどの音声が聞こえるというものなのですが、このラジオがただ者ではなく、BCLラジオの精密フィギュアになっているとのことでした。しかも、わたしが小さい頃のあこがれだったナショナル・クーガ2200もあります。これは買うしかない! というわけでセブンドリーム・ドットコムに注文してしまいました。初めての大人買いです。(^^;

青春のオールナイトニッポン・フィギュア一覧  1カートンで買ったフィギュアは12個入り。6種類あるのでだいたい2個づつ入っています。シークレットも一つ入ってたのですが、ちょっと期待外れ。スカイセンサーかアンテナカップラーを期待したのですが……。とはいえ、クーガ2200はもくろみどおり2個入手できました。

 フィギュアは 1/4スケールということで、タイムスリップグリコ(たぶん 1/6)よりは一回り大きめです。左の写真の左上、ちょっと小さなクーガ7がタイムスリップグリコで、その後ろが今回のものです。製品としてはシークレットを含めて7種類あるのですが、ボディの種類は4種類です。そのうちクーガ2200が最大で、これに小細工するのが一番簡単そうです。

あこがれのクーガ2200(のフィギュア)

クーガ2200正面  さて、クーガ2200(RF-2200)のフィギュアです。幅は約8cmで手のひらに乗る大きさです。上のジャイロアンテナは起こして回すことができます。ロッドアンテナも引き出せますが、ゆるゆるなので引き出して固定できません。長さがボディの高さ分しかないのはご愛敬。中央の「VOLUME」のつまみを「押す」と「オールナーイトニッポ〜ン」とジングルが流れ、もう一回押すと「ビッバーヤング…」と鳴ります。音はけっこう大きく、割れ気味ですが 400円のオモチャですから。

 細かい文字もだいたい入ってるのですが、こちらの画像と比べると右上の「COUGAR 2200」とナショナルのロゴ、それからチューニングダイヤルの下の「National Panasonic」の文字がありません。うちの製品じゃないからロゴを入れるのはまかりならん、ということでしょうか。でも、タイムスリップグリコには入ってるんだけどなぁ。

クーガ2200電池ボックス クーガ2200背面  前面は極力本物に近づけるように細かい文字などが入れてあるのに対し、背面は少々なおざりです。電池ボックスはフタがネジで固定されています。中には LR44が2個入ってます。写真の白いベロは自然放電防止用のセパレータですので、これを引き抜かないと鳴りません。背面の4隅を見るとわかるように、意外にもボディはネジ止めされていて、これを外すと分解できます。タイムスリップグリコは接着されていて分解に難儀したんですが。

クーガ2200とタイムスリップグリコのクーガ7

分解してみる

クーガ2200分解  精密ドライバーであっさりと分解できました。中には小型スピーカーと小さな基板が1枚。基板には抵抗2個とコンデンサ2個、ハンダ面にはゴム製のプッシュスイッチとプラスチックモールドが一つだけ。このモールドが音声合成ICなのでしょう。直接拝むことはできませんでした。

 中にはそこそこスペースがありますが、スピーカーを背後から押さえている十字のリブをカットすれば更にまとまった空間が確保できます。ボディの厚みがけっこうありますし。

ラジオを組み込む

内部の写真  そんなわけで TA7792P + TA7368Pの AMラジオを組み込んでみました。これでも一応スーパーヘテロダイン方式のラジオです。内蔵バーアンテナだけで地元局はもちろん、夜なら遠方の局も入ります。音も圧電素子ではなくちゃんとしたスピーカーですから明瞭に聞き取れます。前回のラジオはヘッドフォンの音漏れ程度の音しか出ず、地元の1局しか鳴らないので「受け狙い」にしか使えませんでしたが、今回の物は実用になります。ただ、ボリュームは内蔵の半固定ボリュームですけどね。

 最近はこういったラジオ用の部品の入手が困難です。今回は 100円ラジオを分解してバーアンテナとバリコン、OSCコイルと IFTを流用しました。TA7792Pと TA7368Pは千石電商の通信販売です。455kHzのセラミックフィルタは部品箱に一つころがってたのでそれを使いました。電解コンデンサも手持ちのを適当に使いましたが、小型のを買ってくればよかったかな。

 元々ついているスイッチはプッシュスイッチで、離すとOFFになるのでラジオのスイッチには不向きです。それで今回も前回同様、ジャイロアンテナ部分にマイクロスイッチを仕込むことにしました。ジャイロアンテナの根元部分を一ヶ所やすりで削って凹ませ、そこがマイクロスイッチのバーに当たるようにします。ジャイロアンテナを回すとスイッチが押されてラジオが鳴る仕組みです。

バリコンのつまみ 背面の写真  部品を組み込む際、一番の問題がバリコンです。そのままではケースに入らないのです。かと言ってバリキャップにするのもなんかおおげさだし、3Vの電圧ではうまくチューニングできそうにない。チューニングが固定なのも面白くない、ということで、軸とつまみは外に出すことにしました。外観的には少々不満足ですが、元々フィギュア背面は少しいいかげんな造りだし、今回は実用性にも重点を置いたということで妥協しました。完成してみたらチューニングがクリチカルで、あのくらいのつまみが無いと選局できないことがわかったのでまあ、いいか。

 →回路図

 回路は基本的にデータシートそのままです。ただ、TA7792Pは FM回路部分を作らずに AM回路だけになっています。また、一部、手持ちの部品を使った関係で回路定数がデータシートとはちょっと違っていたりしますが、特に支障無いようです。

 最初、回路を組んでも動作しなかったのですが、こちらのページを見て OSCコイルのピンを変えることで鳴るようになりました。OSCコイルのセンタータップの位置は物によって異なるようですので、うまく発振しない場合は両端のピンを入れ換えるといいかもしれません。

 調整したらけっこう感度が出て市販の安物ラジオ並みになりました。ただ、ダイヤルをいっぱいに回しても STVラジオ(1440kHz)位が上限。やはり 100円のせいか正確さに欠けるのかもしれません。(^^;

2004.4.10

 こちらのページによると、やはり 100円ラジオのコイルが少々不正確のようです。

 2004.6.29 追記。
 周波数範囲が不正確なので、サトー電気からバーアンテナ SL-55Xとバリコン、OSCコイルを購入して交換しました。今度はきちんと 1593kHzの NHK新潟第2放送も入ります。こころなしか感度も良くなったような気もします。最終的に 100円ラジオの部品はバリコンのツマミと IFT1個を流用しただけになりました。


ロッドアンテナ化とボリューム

 ある日たまたまサトー電気で長さ 98mmの超小型ロッドアンテナを売っているのを見つけました。クーガ 2200フィギュアのアンテナにちょうどいいなあ、というわけで早速購入。交換してみることにしました。

購入した超小型ロッドアンテナ フィギュアのものと比較  これが届いたロッドアンテナです。短いです。本来は何に使うんだろ。縮めた状態で約43mm、伸ばして約98mm。2倍程度にしか伸びません。しかし、これでもクーガ 2200フィギュアについてた貧相なアンテナよりははるかにマシです。

改造後の内部写真  組み込んでみました。短くて効果がほとんど無いとは思いますが、一応アンテナとして働かせたかったので、あらかじめ根元にリード線をハンダ付けしておきます。それから、フィギュアに元からあったアンテナモドキを抜いてドリルで穴を開け、このアンテナを入れてホットボンドで固めます。固まったらリード線をバリコンのアンテナ側端子につなぐのですが、間に 100pF程度のセラミックコンデンサを入れてハンダ付けします。

裏面のボリューム  一月程前に半固定抵抗をやめてボリュームを外から操作できるようにしていたのでここでお見せしておきます。背面に穴を開け、小型のボリュームを電池ボックス部分にホットボンドで固定しています。やはりボリュームが調整できると実用性が一気に高まります。

 というわけで完成です。やはりこの方がかっこよい。実は本物はアンテナを引き出すと根元が曲げられるようになっているらしいのですが、そこはまあ、ひとつ。

ロッドアンテナだぜ

2005.8.9