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青春のオールナイトニッポンの
クーガ2200に
MP3プレーヤーを組み込む!

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→青春のオールナイトニッポン・クーガ2200に FMラジオを組み込む・2012年版

12秒じゃ短い

 タカラの「青春のオールナイトニッポン」は精密なフィギュアですが、ボタンを押すと昔のオールナイトニッポンのジングルなどが流れるギミックを備えています。しかし、わずか 12秒程度の音声で、低いレートの PWMでも使っているらしく、音質もよくありません。所詮 400円のおもちゃですので高望みする方が無理なわけではありますが。

 また、わたしは鶴光のオールナイトはほとんど聞いたことがありませんし、糸居五郎さんの功績は存じてはいるものの、年代的に全く聴く機会がありませんでした。どちらかというと中島みゆきや谷山浩子、上柳雅彦の方をよく聞いていましたので、それらの声が出るとうれしいかなと。

MP3プレーヤーを組み込む

 そこでこのミニチュアフィギュアに MP3プレーヤーを組み込んでしまおうと考えました。以前作った MP3プレーヤーは部品も少なくて済むので工夫すればなんとか組み込めそうです。電池は LR44が2本で3Vあるので特に昇圧回路などを設けなければ回路が簡素化できます。

MP3プレーヤー基板・表  ラジオの時と同様にスピーカーの押さえの十字のリブをカットしてそこに納まる用に万能基板を切り出します。さすがに今回はケースが小さいですので CPUにソケットは使えませんし、EasyMP3の基板は使わずに LSIのみを直付けすることになります。

 基板に ATmega8(CPU)と VS1001K(DSP, AMP)を貼り付けます。ATmega8は通常の 2.54mmピッチDIPですが、足の先をカットしてラジオペンチで広げて平べったくします。ボディの裏面に両面テープを貼り、万能基板に固定します。VS1001Kは元々表面実装用ですからそのまま両面テープで貼り付けます。あとは回路図を見ながら配線します。

 スピーカーはもちろんですが、今回はボタンも流用します。ボタンの両端から線を引きだして配線します。前のプログラムを少し変更し、このボタンを押すと1曲(1ファイル)再生して電源が切れるようにします。また、再生中にもう一度押すと次のファイルを再生し、長押しするとそのまま電源が切れるようにします。

 画像の下にビニール線が数本出ていますが、これは CPUをプログラムする為のコネクタへつながるもので、完成すれば不要となります。

MP3プレーヤー基板・裏  裏面に SD/MMCコネクタをハンダ付けします。この段階では SD/MMCは交換する必要は無いと考えていたのですが……。

MP3プレーヤー基板を組み込んだ図  この基板を組み込んだ図です。ジャイロアンテナの軸のでっぱりを最初考えていなかったのでトランジスタとぶつかり、移動するハメになってしまいました。

 今回はおかしなつまみがはみ出すこともないですし、ボタン操作もオリジナルの上位互換になってるので、オリジナルの音声を録音して MP3化して入れればちょっと区別できなくなるでしょう。(重量は増えたけど。)

 完成して少し遊んでみたら……電池が切れました。(^^; 消費電流を実測してみた所、32kbpsの MP3を再生した場合、25〜30mAでした。それほど大きな値ではありませんが、それでも LR44には負荷が重いようです。30分と持ちませんでした。まあ、しかたないところかな。128kbpsの MP3も再生できますが、消費電流が増えるし、安物の小型スピーカーでの再生なので高ビットレートはあまり意味がありません。32kbps/monoで十分です。

 追記。SDカードによっては 32kbpsでも消費電流が 40mAを越えるものもありました。

 →回路図
 →C言語ソース

2004.4.14


カードを取り出せるように改造

カードを引き出した図 下部のカードスロット  当初、SD/MMCは交換する必要はあまり無いし、もしも交換したくなったらネジを外してケースを開ければいいやと考えていました。ところがこのネジは大変小さく、頭やケースのネジ山を破損しやすいことが想像できます。また、ひとまず完成してからいじってみると、後から「あの音声を追加したい」という欲求が起きてきました。

 フィギュアのケースに穴を開けるのはどうかとも考えていたのですが、SD/MMCスロットの向きを下向きに変え、穴をケースの下部に開けるようにすればよさそうです。

 というわけでやってみました。後ろから見てもあまり違和感がありません。黒色のカードを使えばもっと目立たなくなるでしょう。カードを簡単に引き出せるので音声の入れ換えも楽です。

2004.4.16


フィギュアの音声吸い出し

自作ピックアップ  フィギュアの音声を吸い出してみました。フィギュアには当然イヤホンジャックなどはありませんから、マイクで音を拾うか、分解して信号を取り出すことになります。一昔前ならテレホンピックアップというのがあって、これをスピーカーに近づけることで録音ができたのですが、最近は入手できるのかどうか。

 マイクだと外の音も入りそうだし、フィギュアを分解して信号を取り出すのはとても面倒なのでテレホンピックアップを自作することにしました。部品さえあれば簡単に作れます。材料は適当なトランジスタ用低周波トランスとコードとコネクタ。あと、念のために数μFの電解コンデンサも用意しました。

 トランスのコアを分解してE型とI型の鉄板を取り出します。ワックスで固めてあったりするので最初の1枚を取り出すのが結構大変かも。取り出したE型の鉄板のみをそろえて再び巻き線ボビンにセットします。あとはトランスの信号線をコネクタに接続すればOK。わたしは部品箱に転がってたトランス(詳細不明)を使いましたが、ST-32とか ST-45といったインピーダンス数百〜数KΩのトランジスタ用低周波ならどれでも使えるんじゃないかと思います。

 それから念のため 4.7μFの電解コンデンサを入れました。これはパソコンのマイク端子にコンデンサマイク用の電圧が出ているからですが、機種によっても違うかもしれませんし、いらないかもしれません。

自作ピックアップの使い方  できあがったピックアップはパソコンのマイク端子に接続し、トランスはスピーカーに近づけて録音します。録音した後、WAVEエディタでフィルタをかけたり音量を調整するとよろしいかと。

2004.4.18


ニッケル水素電池にしてみる

 LR-44だと 30分と持たないので、ちょっと遊んでるとすぐに電池が無くなってしまいます。他にいい電池は無いかと探した所、サトー電気で小型のニッケル水素電池を見つけました。(サトー電気のページではニッカドと誤記(?)してあります。型番は 3-H70FT。)16mmΦ×20mmと小さいので内蔵できそうです。また、容量が 70mAHなので、単純計算で約2時間持つことになります。これでもまだ短めですが、それでも4倍持ちますし、いくつも電池を買わずに済みます。

Ni-MH電池にしてみた図  そんなわけで組み込んでみました。元々の電池ボックスの横側部分をカッターで削ぎ取ってやるとなんとか電池が入りました。更に充電のために ACアダプタのコネクタを取りつけます。背面に四角い穴をあけ、ホットメルトで固定します。スペースが無いので複雑な充電回路はやめて、10mAの定電流ダイオードを入れただけにしました。タイマーも無いので 12時間程度充電したら自分で切ってやる必要があります。ただ、それほど大電流ではないので、多少なら切るのを忘れていても大丈夫でしょう。

 このままだと回路に充電中の高い電圧がかかる可能性がありますので、ロードロップ型の3端子レギュレータを入れます。東芝の TA48M033Fを使いました。千石電商で入手できると思います。

背面の ACアダプタ端子 充電中  背面の ACアダプターのコネクタはこんな感じです。それほど違和感はないかと。当然、LR-44を入れていた電池ボックスの内部は空っぽです。なお、10mAの定電流ダイオードが入っているので、電池が無くなってしまったら ACアダプタを差しても動作させることができません。ある程度充電されるまで待つしかないですね。

 今回、電池の減り方で気がついたのですが、以前のプログラムでは、低電圧リセットがかかった時に電源回路が切れずに入ったままになることがあり、結果として過放電することがわかりました。プログラム上で低電圧リセットを検出していなかったのが原因らしいので、プログラムの先頭で低電圧を検出して電源を切るように修正しました。

2004.7.3