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ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー

2009年型 ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー

→基板
→車載用 MP3プレーヤー
→2006年型 ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー

2009.11.17
2009.12.2 スイッチ回りとデンタルアンプ変更
2009.12.8 液晶交換


ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー  スピーカーと液晶表示を搭載してラジカセ型にまとめた FM/MP3プレーヤーです。これも汎用 FM/MP3プレーヤー基板を使っています。

 スピーカーは直径 4cmの小さい物なので低音は出ませんが、PAM8403使用デジタルアンプ採用でクリアな中高音が出ます。女性ボーカルの曲はかなりきれいに聞こえるので満足しています。以前作ったラジカセ型 MP3プレーヤーと同様に再生中の MP3ファイルの曲名や FMの放送局名を表示します。

 ケースはタカチの SW-125G(125mm x 70mm x 40mm)を加工しています。シンプルにまとまったと思います。MMC/SD/SDHCカード対応。アダプタを使えば miniSD/microSDも可。

 この画像はカラー液晶を TFTに交換してからのものです。

ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー 内部 その1  内部です。電池は単三2本を使います。2000mAhエネループで 19時間くらい稼働します。スピーカーがかなりのスペースを占めています。

ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー 内部 その2  ケースの天井面に汎用基板がくっついています。メンテナンスや改良の為にスライドさせて取り出すこともできるようになっています。汎用基板は三端子レギュレータ以外はフル実装状態です。

 左上に持ち上がっているのは単三電池BOXと、その裏に貼り付けたデジタルアンプです。デジタルアンプは効率が良く、音も良かったので気に入りましたが、FMのノイズ源になってしまうのが悩みです。

 スピーカーの間にはカラー液晶があります。

 前面のスイッチと LEDは汎用基板上に実装しています。

ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー スピーカー  たまたま入手できた 4cm径のスピーカーです。マグネットが巨大です。このプレーヤーを持ち上げると以外にズシリと重いのはこの為。けっこういい音がします。

ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー 液晶コネクタその1  (旧)STNカラー液晶は最初、裏のパターンに直にハンダづけしてみたのですが、加熱により、横ラインでドット抜けが発生してしまいました。短時間で済ませたつもりだったので、ハンダづけは不可と判断しましたが、これに合うコネクタはありませんでした。

ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー 液晶コネクタその2  ので、自作。生のプリント基板を切り出し、2mm間隔でカッターでパターンをカットします。そこへ 1mm幅に切ったリン青銅板をハンダづけします。それを曲げてコネクタとします。

ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー 液晶コネクタその3  この「コネクタ」を液晶背面に押し付けつつ、ホットボンドで固めます。なかなか大変でした。画像の上の基板は液晶のバックライト用の DC/DCコンバータ兼、ピン配置変更用基板。

 バックライト用の DC/DCコンバータは XZ5121という ICを使っていますが、正式にはこの ICは XZ5121-******の後の記号でフィードバック電圧などを指定するようです。わたしが AITENDOで買った時はこれが不明だったので、実際に回路を組んで調べた所、実測で 0.083Vありましたが、他の物もそうなのかはよくわかりません。この電圧が違っていると同じ回路を組んでも流れる電流が違ってくるので注意が必要です。

 ↑追記。液晶交換の際にもう一つ、同じマーキングの XZ5121で DC/DCコンバータを作って再びフィードバック電圧を測ったら、今度は約0.1Vでした。そちらのテスターの方が正確なので、Vfb=0.1Vと考えて良さそうです。

ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー 液晶表示  というわけで無事液晶表示ができるようになりました。ただ、正直、あまり発色が良くなく、ムラも多かったので、8色表示で我慢。

 そのかわり、曲名表示は MP3ファイルの ID3タグを読んで表示します。ID3のバージョンは 1.0/1.1, 2.2~2.4対応で、文字コードは Shift_JISと UTF-8/16に対応したはずです。「はず」ってのは、うちでは Ver.2.4の UTF-8で主に使ってて、他のフォーマットはほとんど試していない為。

 また、日本語フォントは 12/14/16ドットの3種類入れています。これに加えて 6x8ドット英数字フォントも。曲名の長さに応じてこれらを切り替えてできるだけ美しく見えるようにします。左の画像は曲名は 14ドット、アーティスト名は 16ドットフォントで表示しています。

 Oggのタグを読んで曲名・アーティスト名も表示するようにしました。

ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー デジタルアンプその1  デジタルアンプは効率が良く、音もいいのですが、FMのノイズ源になって感度を低下させます。ノイズ対策の為にアンプのグランドをしっかりしたものにします。万能基板に銅箔テープを貼ってベタアースにしています。

ラジカセ型 FM/MP3プレーヤー デジタルアンプその1  万能基板+銅箔ベタアースの上に回路を実装します。これでもまだノイズは残りますが、だいぶよくなりました。プリント基板を起こせばいいのですが……。

 あと、デジタルアンプICによっては AM/FM用にスイッチング周波数を散らして動作できる物もあります。そういったのを使うといいかもしれません。

→基板回路図
→液晶まわり回路図(旧)
→液晶まわり回路図(新)
→デジタルアンプ回路図
→スイッチまわり回路図

液晶交換

横ラインドット抜けを起こした液晶  ある日突然 STN液晶が横1ラインドット抜けを起こしてしまいました。何もしてないのに……。orz

 この液晶モジュールは国内通販では現在、扱っている所は無く、また、ネットの情報で壊れやすいというのはわかっているので交換することにしました。

新しい液晶を組み込んだ所  せっかくなので TFT液晶の ZY-FGD1442701V1(128 x 128ドット 64K色)にしてみました。この液晶はバックライトが約3.2V 15mAで消費電力が小さくて済むのも魅力です。ただし、I/Fがパラレルのみに固定されており、ポートに余裕が無いので 74HC164(シリアル−パラレル変換)を使っています。更に、シリアルデータと液晶の WR信号を共用しています。

 また、回路は 3.0Vなのにバックライトは 3.1~3.2V程度必要なので、明るさを安定させる意味でも今回も XZ5121を使った DC/DCコンバータを使いました。フィードバック電圧を測った所、今回のは約0.1Vでした。前回は安物テスターで測って 0.083Vだったので、こちらの方が正確だと思います。

 →液晶まわり回路図(新)

新しい TFT液晶の表示  というわけで交換完了。やはり TFT液晶は綺麗です。この液晶は前の物より一回り小さいので「縁(フチ)」を追加しています。材料は DIY店の文具コーナーで見つけた黒いフォルダー。これをプリンターで印刷した型紙を両面テープで貼り付けてカッターで切って作っています。

 消費電流も単純計算で 40mAくらい少なくなりますので、稼働時間も長くなりそうです。ちなみに前の液晶では 11時間半程度持ちました。計算上は 15時間近く稼働するはず。

 実際に稼働させてみたところ、19時間近くも動作しました。うれしい誤算。

 その後、いろいろ改良して現在では 21時間以上も稼働するようになりました。