Top Page Index About Link Mail Form ●このページの応用機器製作します |
50MHz AM QRPpトランシーバー TRX-503の製作後、思いついた改良の反映と、基板のパターンの修正を兼ねて更に2台製作しました。基本的な構成はほぼ同じなので同じ外形のが都合3台できました。
TRX-503の終段増幅を調整していた時、半固定抵抗を回すと出力が増減するのを見て、これで変調ができるんじゃね? と思いついたのがきっかけ。要するにベース変調なのですが、変調音が歪みやすくて通常は使われません。しかし、フィードバックをかけてやれば実用になるかもしれないと思い、やってみました。
変調部と送信の増幅回路。この部分以外は TRX-503とほとんど同じです。(電源回路の昇圧回路で電圧をちょっと高めにしてある。)
終段のベース電圧は TRX-503ではエミッタの抵抗電圧を見ながら半固定抵抗でベース電圧を調整するわけですが、この部分をオペアンプに置き換えます。更にそのオペアンプの入力を音声信号で振ってやれば音声信号で変調がかかります。エミッタの電流値でフィードバックをかけているので変調音の歪はかなり抑えられるはず。出力は 50mWです。
オペアンプの AD8531ARは高出力オペアンプです。出力にコンデンサを入れて高周波的にグランドとショートする必要があるので念の為。
これで自分の耳で聞く限りは特に不自然には聞こえないようですが、正直、よくわかりません。免許が下りてからハムフェア等で他の人に聞いてもらおうと思っています。
トランジスタの Vbe - Ic 特性は立ち上がり部分が二次関数グラフのようになっており、その部分を使って変調をかけます。フィードバック無しだと例えば正弦波はピークを引き伸ばされた三角波のようになるはずです。しかし、フィードバックがかかっているのでほぼ正弦波の出力になっています。
さて、この変調方式、他の方式と比べた利点はというと、正直、特にあるとも思えません。トランジスタの増幅カーブの具合のいい所で使う必要があるので調整範囲は狭く、効率のいいあたりを使うことが難しいです。音はいいかもしれませんが、まだよくわからない。回路としては簡単なのでそれが唯一の利点かもしれません。
あ、そうそう、フィードバックで補正されるため、温度変化等あってもバイアス電流値が全くと言っていいほど変化しないのは利点かもしれませんが、QRPだとあまり意味がないような。逆に言うと、変調としてはともかく、バイアスを安定させる回路として使うというのはありかもしれません。
プリント基板の表裏。TRX-503で変調に使っている NJM2594が無くなっているのでその分が空いている感じ。
2台できました。区別がつかないのでストラップの色を変えて区別。
2019.8.8 追記。TRX-503Sと合わせて変更申請(届出)をしていたのが審査終了。電波を出せる状態になりました。
これを発展させ、500mW出力にしたものを製作しました。
→TRX-505M / NFB付きベース変調を用いた自作6mAM送信回路
2020.5.27 追記。
回路の見直しと再調整をした。1kHz変調波形。
出力 50mWではさすがに小さいのでもう少し大きくということで 150mW出力版を作ってみました。本当は 250mWくらいを目標にしたのですが、消費電流その他の理由で 150mWで妥協。
TRX-503の送信回路に1段追加しただけのようなものです。技術的に特筆するようなことは無いかと。
使用部品、ファイナルに使っているのは 2SC5551AF。ファイナルの出力トランスのコアには TR-10-5-5EDを使ってみました。コアの材質としては 61材と似たようなものかと思います。サイズは T-37を少し分厚くした感じ。
裏面、コイル・トランス類をいろいろいじった後。中央のちょっと分厚いコイルが TR-10-5EDを使った出力トランス。
→【ハムフェア2019】<CB機のスプリアス簡易測定デモから各社コンパニオンまで>会場でhamlife.jpスタッフが“気になったモノ&人&光景”一挙紹介